学部教育

理工学部理学科・数学コースの教育の特徴

近畿大学理工学部理学科数学コースは、大阪府内の私大の中でも数少ない、数学を専門に学べる学科です。数学研究の第一線で活躍する教員による指導のもと、多彩なカリキュラムで基礎から応用まで幅広い知識を習得できます。

さらに、当コースでは、数学を通して『論理的思考力総合的判断力、問題解決能力を身につけ、人生を自ら切り開くことのできる学生』を育てます。

そのため、1学年から少人数ゼミ形式で行う「基礎ゼミ」、1学年から3学年までは複数の教員・TAによる双方向型学習科目である「数学講究」といった学生と教員の距離が近い授業が基幹科目になっており、学生一人一人が教員を質問等で占有できる時間をできるだけ多く取っていることが特徴です。このような対話形式の授業やプレゼンテーションの機会を豊富に用意しており、従来の一方向の講義では困難な、学生の理解度の合わせて自らの「やる気」を引き出す努力をしています。

また、3学年の「数学講究」(教員志望クラス)では、3年生が1年生の演習を補佐し教えることで自ら学び、教育実習を想定した実践経験を積む機会も提供しています。

教育内容についてはカリキュラムシラバスを参照してください。

数学コース教員の著書・翻訳・編集

カリキュラムポリシー
(教育課程編成・実施の方針)

理学科数学コースは、近畿大学の建学の精神に則り、数学を通して論理的な思考力、総合的な判断力、問題解決能力を身に付け、人生を自ら切り開くことができる人材、そしてそれらの能力によって、社会の発展に貢献し、社会をリードすることができる人材を育成します。ディプロマ・ポリシーで掲げられた資質・能力を学生が身につけるため、次のカリキュラムを設定しています。

1.
体系的な数学の学修

第1学年から第3学年において、大きく分けて3つの純粋数学の分野である代数学・幾何学・解析学、そして統計数学を体系的に学修するカリキュラムを設定しています。これらの学修を通して、学生は数学があらゆる科学の基礎であることを認識するとともに、数学の思考力・判断力・表現力を中心とした素養を段階的に身につけることができます。また、専門科目の講義では、対話形式を重視します。教員とのコミュニケーションを通して、学生は能動的に論理的思考力や問題解決能力を身につけることができます。さらに、さまざまな課題を通して、学生は基本的な知識の修得だけではなく、論述力や知識・技能を活用する力を身につけることができます。これらの素養は主にディプロマ・ポリシーの1-1、1-2、2-1の達成に関連しています。

2.
継続的な学修態度の育成

1.の入り口となる第1学年の「線形代数学Ⅰ・Ⅱ」「微分積分学Ⅰ・Ⅱ」「線形数学(1)」「基礎幾何学」「基礎解析学(1)」では、数学の基礎だけでなく、大学における数学の学び方を指導します。学生は、自主的かつ継続的に数学を学修する態度を身につけることができます。

3.
基礎知識の定着と問題解決能力の段階的向上

第1学年から第2学年の「数学講究(1)~(6)」では、並行開講科目で修得した知識・技能を相互に関連付けながら講義・演習することでそれらの質的な充実を図ります。学生は、数学の理解を深めるとともに、段階的に問題解決能力を向上させ、大局的な思考方法を身につけることができます。これらの素養は主にディプロマ・ポリシーの2-2の達成に関連しています。

4.
プレゼンテーション能力の育成

第1学年の「基礎ゼミ1、2」や第3学年の「数学講究(7)、(8)」では、少人数制のゼミにおいてプレゼンテーションの機会を多く提供します。また、教職志望の学生のために、数学教育の実践を行う機会も提供します。学生は主体的に学ぶ力とディスカッション力を向上させ、協調性や自分の考えをわかりやすく伝える力を身につけることができます。これらの素養は主にディプロマ・ポリシーの2-3、3-1の達成に関連しています。

5.
情報処理技能の育成

第2学年と第3学年の「計算機実習(1)、(2)」「実験数理解析」を通して、学生はコンピュータを用いて数学的な論理性や現象の裏付けを実証する力を身につけることができます。これらの素養は主にディプロマ・ポリシーの3-2の達成に関連しています。

6.
多角的視野に基づく高度な問題解決能力の育成

第4学年の「現代数学(1)~(5)」「応用数学(1)、(2)」「卒業研究」では、代数学・幾何学・解析学の垣根を越えて、多角的視野に基づく問題解決能力の育成を行います。現代数学を学び、最先端の数学研究に触れることで、学生は数学のさまざまな分野の有機的なつながりを理解し、応用力や高度の問題解決能力を身につけることができます。これらの素養は主にディプロマ・ポリシーの4-1、4-2の達成に関連しています。

ディプロマポリシー(学位授与の方針)

理学科数学コースでは、近畿大学の建学の精神である未来志向の「実学教育と人格の陶冶」に則り、数学を通して論理的な思考力、総合的な判断力、問題解決能力を身に付け、人生を自ら切り開くことができる人材の育成、そしてそれらの能力によって、社会の発展に貢献し、社会をリードすることができる人材の育成を目標としています。そのため、厳格な成績評価により教育カリキュラムを運営しています。開講された科目を履修して、所定の単位を修得した学生に卒業を認定し、学士(理学)の学位を授与します。卒業までに学生が修得しておくべき資質・能力は以下の通りです。

1.
関心・意欲・態度
  1. 自主的かつ継続的に数学の学修ができること
  2. 数学がすべての科学の基礎であることを認識・理解し、数学的に正しい表現を用いて論理的にその内容を説明できること。
2.
思考・判断
  1. 数学的な論理や思考に基づき、明晰かつ客観的に議論できること。
  2. 幅広い視野を持ち、大局的に思考できること。また、局所的な結論を集約することにより、大局的な結論を得ることができること。
  3. 適切なディスカッションを通じて、集団の中における個人の役割を認識し、主体的かつ協調的に行動できること。
3.
技能・表現
  1. 適切な日本語または英語を用いて、自分の考え方を論文や口頭でわかりやすく発表し、従来の考え方に新しい視点を与えたり、新しい方策を提案できること。また、数学を教えるにあたり、自分の理解に基づき、相手に合わせた多角的な説明ができること。
  2. コンピュータを用いて、数学的な論理性や現象などの裏付けを実証し、その適切な意味を解説できること。
4.
知識・理解
  1. 数学の基礎的な知識と論理的思考力を身に付けていること。また、それらを自然科学や工学などに応用できること。
  2. 数学のさまざまな分野の有機的なつながりを理解し、専門的な知識を駆使して高度な問題をも解決できること。

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